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Google翻訳の精度は?

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レイン・アギラー
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2024年4月19日

Google翻訳の精度はビジネスに通用しますか?

手軽。迅速。無料。これがGoogle翻訳が最も高い人気を誇る翻訳ツールに数えられる理由です。確かに、海外に行った時などは何かと助けになります。

でも、複雑な文章を翻訳するとなると信頼性に欠けてしまいます。それはニュアンスや文脈を理解するほど進化していないからです。実際のところ、Google翻訳はどの程度、正確なのでしょうか?ビジネスのウェブサイト翻訳にも対応できるのでしょうか?

Google翻訳の仕組み

Google翻訳がどのようにして翻訳データベースを構築したのか、疑問に思ったことはありませんか?実は、Googleのデータベースの基幹となったのは、人間が翻訳した欧州議会議事録の文書を集めた欧州議会多言語コーパス(Europarl Corpus)なのです。それ以外にも、多様なデジタルリソースおよび一般的な言語翻訳などに依存しています。

2006年にサービスを開始した当初は、統計的機械翻訳を使って瞬時に翻訳されたテキストを提供していました。しかし、ほどなくして長期的に使い続けることはできないことが明らかになりました。個々の単語を翻訳する技術であるため、確かに短い文には極めて効果的に機能しました。一方で、長く複雑な文章の場合では、不可思議な訳文を生成していました。 

当時からGoogleは、翻訳の精度を向上させるためには機械翻訳技術を入れ替えなければならないことを認識していました。そして、10年後の2016年、独自に開発した技術であるGoogleニューラル機械翻訳(GNMT)を発表しました。この技術がアルゴリズムを飛躍的に向上させると同時に、翻訳へのアプローチを変えました。この時から個々の単語の翻訳ではなく、文章全体の意味が捉えられるようになったのです。 

その結果、スラングや口語体さえも反映して、より忠実に翻訳されるようになりました。こうして、多くの主要言語ペアにおいて、翻訳ミスを55%~85%以上減らすという大変革を起こしました。 

Google翻訳は、この新しい学習システムにおいては、英語を翻訳の仲介言語として使うことをやめました。その代わり、翻訳は二言語間で直接に行われました。例えば、それまで英語を仲介してフランス語から日本語に翻訳していたのを、フランス語から日本語に直に翻訳するようになったのです。中間言語を省くことで、翻訳はスピードアップし効率化されたほか、訳文の正確性が改善されるという大きなメリットもありました。 

Google翻訳は正確?

Google翻訳は130以上の言語に対応し、最も幅広いサポートが受けられる翻訳ツールですが、翻訳精度にはばらつきがあります。例えば、スペイン語は最も使用者の多い言語の1つであるため、翻訳精度は通常90%以上です。 

「Google翻訳は翻訳の82.5%において全体的な意味を捉えた。しかし、言語間の精度は55%から94%とばらつきがあった。」 出典:UCLAメディカルセンター

2014年の調査では、複雑な医療関連文書の翻訳にGoogle翻訳を使用した場合の精度は57.7%にとどまりました。UCLAメディカルセンターが行った2021年の調査では、Google翻訳は翻訳の82.5%で全体的な意味を捉えていました。しかし、言語間の翻訳精度は55%から94%とばらつきがありました。 

ウェブサイト翻訳における機械翻訳の使い勝手を比較調査したところ、14人中10人の翻訳者が機械翻訳を好意的に受け止めたことがわかった。

その一方で、Google翻訳の精度が驚くほど高いこともあります。ウェブサイト翻訳における機械翻訳のあり方について私たちが独自に調査した結果、翻訳編集者14人のうち10人が、生成された翻訳の品質の素晴らしさに驚いていることがわかりました。これは機械翻訳の性能の優秀さが予想以上であることを示しています。 

Google翻訳の精度について頭に入れておきたいのは、形式的な文章を英語に翻訳する場合に最適な効果が得られるという点です。ところが、肩肘張らない文章となると話は別です。くだけた文体の英文を多言語に翻訳した場合の翻訳精度は72%となりました。ですから、日常的な表現を翻訳してみると、意味不明の珍訳が出てきてしまうこともあります。

Google翻訳はウェブサイト翻訳ツールとして安心か?

当然のことながら、効率化は大きな魅力です。また、人間の翻訳者にかける予算も時間的余裕もないという企業は決して少なくありません。そこで機械翻訳の出番となるのです。

機械翻訳は1950年代に誕生して以来、飛躍的に進化しました。ディープラーニングとニューラル機械翻訳(NMT)の台頭により、その信頼性はかつてないほど高まっています。しかし、言語は変化し続けるものであり、それに常に完璧に対応できるわけではありません。 

Google翻訳が一番得意とするのはやはり英語翻訳です。英語以外の言語からのデータ抽出におけるGoogle翻訳の精度を評価した2013年の調は、非英語言語からの翻訳文の抽出には通常、英語の場合より時間がかかるとしています。 

私たちの研究に参加した翻訳編集者の一人は、機械翻訳が特定の用語について文脈を認識しない場合、代わりに一般的な翻訳を提供することに気付きました。研究では文脈が欠落していた場合に、誤った翻訳が生成されました。一方、十分な文脈が提供されると、翻訳は正確になることが証明されました。ただし、この文脈の欠如による誤訳については、人間が翻訳する場合でも同様と言えるでしょう。

理由は簡単だ:Google翻訳の精度は、対象言語のデータがどれだけあるかによって決まる。ウェブサイトの50.5%が英語であるため、Google翻訳には多くの入力データがある。そのため、英語ペアの翻訳精度が最も高いのです。一方、ポルトガル語のウェブページは全体の2%しかないため、Google翻訳では精度の高いポルトガル語翻訳を提供することは難しいでしょう。

73%の消費者は、インターネット閲覧時に母国語で書かれた製品レビューの方が良いとしている。

ある言語について、ごく少数のウェブサイトしか対応していないからといって、需要がないわけではありません。ユーザーの73%は、オンライン閲覧時に母国語での商品レビューを好んでいます。海外でビジネスを展開するには、ターゲット地域の言語に対応することが重要です。ウェブサイトのローカライズを行えば、翻訳過程でメッセージが希薄になることなく的確に伝えられます。

基本的に、Google翻訳は、そのユーザー、少なくともその翻訳品質を向上させるユーザーによってのみ優れている。しかし、グーグルは最近、プラットフォームの精度を向上させるために、ネイティブ・スピーカーが適切な翻訳案を提供できる「コントリビュート」機能を廃止した

ウェブサイトを翻訳するための便利なベースではあるが、他の翻訳ツールや、もちろん人の目による目を通して使用するのが最も効果的である。 

Google翻訳より正確な翻訳ツールは?

その他の人気翻訳ツールには、DeepL、Amazon Translate、Microsoft翻訳などがあり、いずれも機械学習を使って情報を得て、機能を改善しています。DeepLは、同じ企業が開発したLingueeが持つ、手作業で翻訳された文節、文章、表現、引用句の広範なデータベースを利用しています。Amazonの場合は、2言語間で直接翻訳を行うために開発されたニューラルネットワークを利用しています。Amazonと同様、Microsoft翻訳もニューラル機械翻訳(NMT)を利用して翻訳を行なっています。

WeglotとNimdziによる機械翻訳プロバイダーの精度に関する調査の結果

私たちの調査では、Google翻訳と同じ機械翻訳のアプローチを採用しているDeepLは、イタリア語(イタリア国内のイタリア語)において、受け入れ基準に満たない翻訳の数が最も少なくなりました。逆に、人手編集の必要がない翻訳の数はイタリア語で最も少くなりました。DeepLは、サポート言語数こそ最も少なく28言語ですが、スペイン語(スペイン国内のスペイン語)の翻訳で最も優れた結果を残しています。 

一方、最下位にランク付けされたAmazon Translateは、フランス語(フランス国内のフランス語)においては人手編集を必要としない翻訳の出力数が最大となり、競合他社を上回りました。また、簡体字中国語(中国国内の中国語)についても、受け入れ基準に満たない翻訳は最少という結果が出ました。Amazon Translateのサポート言語は75言語と中間レベルです。 

2番目に多い111の言語をサポートするMicrosoft翻訳は、かなり安定したパフォーマンスを示しました。人手編集が不要な翻訳数については、ドイツ語では健闘したものの、ポルトガル語では最下位でした。 

どのツールも、ヨーロッパ言語では好成績を収め、アラビア語についても人手編集をあまり必要としない高品質の翻訳を提供しました。この結果からわかるように、あるソフトが他よりも絶対的に優れている訳ではないため、すべてを一緒に使うことで最高の効果が得られるのです。 

Google翻訳を使うべき? 

Google翻訳は、ウェブサイト翻訳のニーズを満たす際に、時間とコストを大幅に節約できる素晴らしいツールです。お客様の目的、スタイル、対象とするユーザーによって、必要とされる翻訳精度は大きく異なります。短くて簡単な文章をいくつか翻訳するだけなら、Google翻訳で十分です。 

Google翻訳が役立つのは次のような場合です。

  • ウェブサイトのフッターなど、視認性の低いコンテンツ
  • エンドユーザーが簡単な問題を解決できるように重要な情報へと導く、指示的で反復的なコンテンツ
  • 質の高い包括的なフィードバックを得られる見込みが低い、製品レビュー

一方、Google翻訳が不適切な可能性があるのは次のような場合です。

  • 多くの文脈を必要とする日常的な表現や、ターゲット言語には正確に同じ内容を伝える言い回しが存在しないと思われる表現
  • 個々の単語を翻訳するための辞書としての使用。著者の意図とは異なる意味が提供される可能性があるため
  • 母国語の文法規則に従っていない文章の翻訳や、スペイン語と韓国語など構文が異なる言語間の翻訳
  • 皮肉な表現の翻訳

以上のような場合、翻訳の質によってメッセージの雰囲気や伝わり方が大きく左右されるため、ウェブサイト翻訳のワークフローにプロ翻訳家を組み入れることをお勧めします。

機械翻訳と人間による編集の長所を組み合わせる

多くの素晴らしい機能を搭載するGoogle翻訳は、他の翻訳ツールや人間の編集者と連携したときに最高の結果をもたらします。 

私たちの調査によると、現在、世界で行われている翻訳作業の99%は、人間のプロ翻訳者によって行われていません。また、機械翻訳されたコンテンツで編集されているのは平均30%に過ぎません。これは、機械翻訳の利用を検討している人にとっては、かなり大きなプラス要素です。人工知能は完璧ではないため、人間の編集者によって不正確な箇所を見直す必要はありますが、それでもAI翻訳ソフトの利用には多くのメリットがあります。機械翻訳でウェブサイト翻訳を行なえば、部分的に微調整するだけで充分に使える状態に完成させられるからです。

会社の規模が小さいから、それでも面倒とお思いなら、それを簡単にするのがWeglotのようなウェブサイト翻訳ソリューションです。 

Weglotのビジュアルエディタ

世界で70,000以上のブランドがWeglotを利用して、機械翻訳と自動翻訳の長所を生かしたウェブサイト翻訳を行っています。似た響きを持つ機械翻訳と自動翻訳ですが、自動翻訳は、校正、編集、SEO向けのコンテンツ最適化、コンテンツのウェブサイトへの再アップロードなどのワークフロー全体に関わる作業を行います。このようにして、正確な翻訳が保証されるのです。 

Weglotは、特定の言語ペアについて最適な機械翻訳エンジンを選択し、極めて正確な翻訳を提供しています。ニューラル機械翻訳の力で、Weglotはお客様のウェブサイトのコンテンツをくまなく検出し、瞬時に翻訳します。各ページを丹念にチェックして、何もかも手作業で翻訳する必要はありません。そして、Weglotの最大のメリットは、お客様のウェブサイトの各言語バージョンに翻訳が表示されることです。 

操作も直感的に行え、コンテンツを即時に翻訳して公開できます。想像以上に簡単に、ヘブライ語やアラビア語のような右横書き言語を含む100以上の言語にコンテンツをローカライズし、最適化します。 

機能を実際にご体験いただくために、Weglotの10日間無料トライアル(無償契約)で多言語ウェブサイト化がいかに簡単にできるかご体験ください。

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